父は、10年以上前に山で遭難しました。生死は不明ですが葬儀も済ませています。父名義の不動産を処分できますか?

所有者であるお父様が行方不明である以上、お父様が売主となって売買契約を締結することはできません。

お父様が行方不明となってから10年以上も経過した今、お父様名義の不動産を売却する必要が生じたのですね。所有者であるお父様が行方不明である以上、お父様が売主となって売買契約を締結することはできません。しかし、お父様に関し失腺宣告を受け、相続の手続きを進めた上で、相続人が不動産を処分するという方法が考えられます。

失腺宣告は、①従来の住所または居所を去り容易に戻る見込みのない者につき、その生死が七年間明らかでないとき、②戦争、船舶の沈没、震災などの死亡の原因となる危難に遭遇してその危難が去った後、その生死が一年間明らかでないときのふたつのケースで、利害関係人の請求により家庭裁判所が行います。

失腺宣告を受けた者は、現実の生死が判明していなくても法律上死亡したものとみなされますので、相続が開始することになるわけです。

お父様が行方不明となってからすでに10年以上が経過していますので、お子さんであるあなたからお父様の従来の住所地を管轄する家庭裁判所に対し、お父様の失腺宣告を求める申し立てをすることができます。家庭裁判所は、一定の調査等をしたうえで失腺宣告の審判をしますので、この審判が確定したら、申立人であるあなたから市区町村役場に失院の届出をしてください。

その後は、一般の相続と同様に遺言や遺産分割協議に基づき、相続手続きを進めることができますので、処分すべき不動産を相続した方が、相続登記を経たうえで売却することも可能です。

ただ、法律上とはいえ、お父様を死亡したものとみなすことになる結果を甘受しなければなりません。