父は、昨年の地震災害で行方が分からなくなったままです。父の相続は、いつ開始するのですか?

民法では「相続は、死亡によって開始する」と定められています。したがって、人が死亡したときに相続が開始することになります。

通常であれば、死体を検案した医師が、死亡の年月日時分や場所等を記載した死亡診断書(死体検案害)を作成し、これを添付して死亡の届出(戸籍法八六条一項、二項)をすることによって、亡くなった方の戸籍に死亡した旨の記載がされます。

しかし、ご遺体が発見されていないような場合には、死亡診断書(死体検案書)を添付することができません。そこで、やむを得ない事由によってこの書面を得ることができないときは、「死亡の事実を証すべき書面」をもってこれに代えることができることになっています(同条三項)。例えば、東日本大震災の際には、「死亡の事実を証すべき書面」としてチエック式の「届出人の申述書」が用意され、手続きの簡素化が図られました(②の方法)。

また、水難、火災、その他の事変により、死亡が確実であってもご遺体が見つからない場合、その取り調べをした官公庁が報告することによって死亡を認定する制度(戸籍法八九条)もあります(③の方法)。

以上はいずれも、戸籍に死亡した旨とその日時が記載されますので、その時に相続が開始したことになります。

一方、生死不明の場合でも、法律上、死亡したものとみなす失院宣告という制度があります(④の方法・【参考:10年以上前から、父の生死が不明】)。

あなたのお父様の場合、震災で行方不明の状態が一年以上継続しており、官公庁の報告による死亡認定がされていないとのことですから、②の方法か④の方法のいずれかを検討すべきだと思われます。