亡くなった夫は、知人がアパートを借りる際の連帯保証人となっていました。相続によりどんな影響がありますか?

債務も相続の対象となりますので保証債務を承継することになります。

債務も相続の対象となります。金銭を支払うことを内容とする債務は、各相続人 に対し法定相続分に応じて当然に承継されるのが原則です。この点は、保証債務も 同様ですので、仮に相続人があなたとお子さんがお二人であれば、あなたが四分の二、お子さんがそれぞれ四分の一の割合で保証債務を承継することになります。

ところで、アパートを借りるような賃貸借契約は、長期間にわたる契約であることから、貸主と借主の信頼関係が重要と考えられています。たとえば、借主が賃料 の支払いを一〜二か月遅れたとしても、その程度ではお互いの信頼関係は破綻していないと考えられ、契約の解除が認められないのが通常です。また、貸主にとつては「この人なら貸してもよい」と考えた借主が知らない間に別の人に又貸ししているような場合には、もはや信頼関係は維持できないため、即時の解除が認められるのです。

そうすると、貸主と保証人との信頼関係、借主と保証人との信頼関係という点を考慮し、保証契約も相続により消滅するのではないかとも考えられるのですが、裁判例では「相続される」と判断しています。

賃貸借契約における保証債務は、賃料の支払いだけでなく、借主が賃貸借契約の条項に違反したことによって貸主に何らかの損害を与えた場合の損害賠償金の支払いにまで及ぶと考えられています。

しかし、保証債務を相続した方と借主とは、面識すらないようなケースも少なくないでしょう。相続を機会に、貸主に対し、別の保証人との交代をお願いするなり、借主の賃料の支払い状況を確認するなりすることをお勧めします。仮に、すでに借主が長期滞納をしているような場合には、保証人からの解除を認めた裁判例もありますので、いちど専門家にご相談されることをお勧めします。