死亡した父と同居していた兄から「遺産は何もない」と言われましたが、調査する方法はありますか?

遺産の全容を把握している方の協力が得られ無い場合は困難です。

遺産の種類によって調査方法は異なりますが、遺産の全容を把握しているお兄様の協力が得られない場合は、困難であると思われます。とはいえ、次のような方法によりある程度の把握はできるものと思われますので、実行してみてはいかがでしょうか。

まず、土地や建物の不動産については、市区町村役場の税務課等の固定資産税を取り扱っている部署で、お父様が所有していた不動産の「名寄帳」を取得できます。

「名寄帳」を請求する際には、あなたがお父様の相続人であることを証明するために戸籍謄本の提出を求められると思われますので、あらかじめ問い合わせておくとよいでしょう。

名寄帳が取得できたら、法務局で土地や建物の登記事項証明書を取得しましょう。登記事項証明書には、不動産の所有者の推移、抵当権などの担保の状況などが 記載されています。お父様に負債がある場合、これらの記載により借入先の金融機関が判明することもあります。 不動産を所有していたはずなのに名寄帳が発行されない場合、生前に別の方に 名義変更されている可能性もあります。その場合も登記事項証明書を取得すれば、名義変更の経緯は分かります。

預貯金については、すべてを一元的に調査する方法はありませんので、お父様が 取引をしていたと思われる金融機関の支店で、残高証明書の発行を請求してみま しょう。この場合にも、あなたが相続人であることの証明として、戸籍謄本の提出が求められます。 預貯金の存在が分かったら、その口座の二年分程度の取引明細書の発行を請求してみてください。口座上でのお金の動きが分かりますから、場合によっては生命 保険料の支払いや、使途不明の多額の出金を発見できるかもしれません。