知らない人から遺産分割協議書が送られてきました。どのように対応すればよいでしよう?

何らかの親族関係があるはずですので、まずは、発信者に尋ねてみましょう。

遺産分割協議は、相続権のある方が全員で合意しないと成立しません。お手元に届いた遺産分割協議書をご覧になると「被相続人」としてあなたのご親族にあたる方が記載されているはずです。あなた自身が被相続人をご存知でなくても、何らかの親族関係があるはずですので、発信者に尋ねてみればよいですし、場合によっては発信者に相続関係説明図の送付を依頼し、被相続人との関係や発信者との関係、法定相続分の割合等を確認されることをお勧めいたします。

次に、送付された遺産分割協議書や同封資料を検討し、遺産が特定されているか、ご質問者の法定相続分の割合、ご質問者自身が相続を受ける遺産(代償金を含む)の有無等をご確認ください。

「すべての遺産を○○が相続する」というように個々の遺産が特定されていない場合や、特定はされているけれども遺産に関する資料が何も同封されていない場合には、直ちに署名押印をせず、発信者に対し遺産の存在や価値が確認できる資料(不動産の登記事項証明書や評価証明書、預金の残高証明書等)の送付を求めるようにしましょう。

そのうえで、提示された遺産分割協議案が妥当であると判断できる場合には、送付された書面に署名と実印の押印をし、印鑑証明書一通を添えて返信いただければ結構です。また、遺産を相続される意思がない場合も同様に対応してください。

提示された案に疑問や不服がある場合には、その旨を発信者にお伝えし率直なご希望を提示してあげるとよいでしょう。ただし、法定相続分を大きく上回るような希望は現実的ではありません。相続人の皆さんがそれぞれ納得できるような、建設的な話し合いが進められるとよいでしょう。