不本意にも、二女夫婦に監禁同然の状態で無理やり壜言を書かされてしまいました。なんとかならないでしょうか?

新しく遺言を書き直せば、あなたの意思は尊重されます。

本来なら、家族への最後のメッセージとして厳粛な気持ちで書き遺しておきたい遺言を、娘さん夫婦に無理やり書かされてしまったのですね。

お尋ねの趣旨が「無理に書かされた遺言の内容が不本意であるからなんとかならないか」ということなら、改めて遺言を書き直せばよいでしょう。民法により、内容が抵触する複数の遺言が存在する場合、抵触する部分について日付の新しい遺言が有効となります。したがって新しく遺言を書き直せば、あなたの意思は尊重されます。ただし、あなたの死後、書き直した遺言が発見されるようにしておく配慮が必要です。

一方、お尋ねの趣旨が「そのようなことをした二女が許せない」ということなら、「相続人の欠格」についてご説明しなければなりません。

民法は、①故意に、被相続人あるいは先順位または同順位の相続人を死亡に至らせまたは至らせようとする行為をした者、②被相続人が殺害されたことを知ってこれを告発または告訴しない者、③詐欺または強迫によって被相続人が相続に関する遺言をしたり、撤回したり、取消しまたは変更することを妨げた者、④詐欺または強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせたり、撤回させたり、取り消させまたは変更させた者、⑤相続に関する遺言を偽造、変造、破棄または隠匿した者は、「相続欠格者」として相続人とはなれないと規定しているのです。

推定相続人の廃除【参考:長男には遺産を相続させたくない!】と異なり、被相続人の意思に関わりなく、家庭裁判所による審判なども必要なく、欠格事由に該当すれば直ちに相続人となる資格を失うのです。

あなたを監禁し、無理やり相続に関する遺言を書かせた行為は④の欠格事由に当たりますので、二女の相続権は失われると考えられます。